パンなつ&異失物攻略: パンなつ謎最終麦

パンなつ謎最終麦の解説です。

🍞最終麦🍞 pic.twitter.com/k2hPwLqCAf
— パンが無いならつくれ！ (@nainalatsukure) September 2, 2021

この謎はパンなつおよび異失物観測所のエンディングです。これまでのパンなつ謎および異失物観測所のストーリーを踏まえた上で解いてください。
そうでないと、この謎のどこがすごいのかわかりにくいと思います。

以下ネタバレを含みます。

この最終麦は、鷲崎未央が返還され、「青い花」事件が解決し、異失物観測所の企画終了のアナウンスとともに最後の謎として出題されました。

謎はまだ完成しておらず、鷲崎さんのメモ帳から作りかけの状態でみつかったもの(という設定)になります。

未央ちゃんのメモ帳から見つかりました。作りかけのようですが、これを私たちからの最後の謎としたいと思います。私も今から解くところなので、答え合わせができないのが申し訳ないのですが......。もしよければ、解いてみてください。 https://t.co/DWwdTcWGDe
— 田辺言乃 (@kotono_tanabe) September 2, 2021

鷲崎さんの遺作、というだけで涙腺に来るのですが。

謎の解説を続けます。

まず1枚目の画像左上の「木→土　土曜日に出題...」の部分は第11麦「勝ったり負けたり」に関する記述と思われ、最終麦では気にする必要はありません。

その下の、日付6/20の部分については後ほど解説します。

1枚目画像の右ページから2枚目の画像にかけて、枠のような線と矢印、そしていくつかの単語が書いてあります。

ここまでパンなつを解いて来た人ならすぐに気がつくように、これらは今までのパンなつ謎の答えの単語です。どうやら最終問題には、過去のパンなつ謎が関係していることが分かります。

ここからが謎の本番になります。

この難しくも素晴らしい謎の中核部分となり、最も難度の高い仕掛けは下記の一点のみです。

「鷲崎未央の作ったパンなつ謎には、新美南吉の作品がモチーフとして散りばめられています」

※　新美南吉は、『ごん狐』等の作者として知られる、愛知県出身の児童文学作家です。

この仕掛けに気付くルートは、おそらく3つ用意されていたと考えています。

1. パンなつ謎を解いていく中で、鋭い洞察力により新美南吉の作品がモチーフに使われていることを見つけ出す。

一番難しいルートですが、不可能ではなかったと思います。

個人的には第12麦「ぐるぐるまいまい」で殻の中にあった「かなしみ」とか

第15麦「土の中にある花は？」で花を土に埋めるという特殊な描写は、それぞれ「デンデンムシノ　カナシミ」「花を埋める」という有名な作品を想起するに足るものだったと思います。

2. 鷲崎未央のTwitterフォロー先から「新美南吉」との関連に気付く

鷲崎さんが返還されると、パンなつのそもそもの発起人は彼女であり、パンなつ謎の中には彼女の手掛けた問題が含まれていることが判明します。また、彼女のTwitterフォロー先には物語と関係のない「『ねないこだれだ』誕生50周年記念　せなけいこ展」「読書メーター」そして「ごん吉くん（新美南吉童話イメージキャラクター）」が含まれています。

鷲崎さんが新美南吉に興味を持っているというヒントによって、パンなつ謎にときどきあった違和感、例えば第19麦「牛を木に連れてって」で、このタイプのパズルで動かすものがなぜ牛なのかとか、第20麦「踊る暗号」で歌っている鳥がなぜスズメなのかといった違和感から隠されたモチーフに気付くことができるようになります。

3. 最終麦画像1枚目の左ページから、新美南吉を問題に組み込もうとしていた意図に気付く

3番目に書きましたが、これがメインルートなのかもしれません。

「自転車屋、帽子屋
　眼鏡屋。きつね」
は検索すれば容易かつ明確に新美南吉の『手袋を買いに』にたどり着きます。

そして新美南吉と13人のこどもで検索すれば『子どものすきな神さま』も見つけられると思います。

新美南吉のモチーフをもとにあと2問パンなつの問題を考えているということから、これまでの問題にも組み込まれていたことに気付くというルートです。

さて、それではどのようなモチーフが組み込まれていたのか、実際に確認していきます。すべての問題に組み込まれているわけではなく、「最終問題のメモ」に答えのある問題が対象になります。

はなかざり: パンなつ謎第17麦「消灯しないで」→　赤い蝋燭